目を覚ませ


よく考えてみれば俺に仲間が居る必要が無い。口先だけの母親は今もそれで自分のメンツを守ろうとするし、父親は自分の満足が教育者の資格だと勘違いしていて、兄は周りの誰にも勝てないから俺に当たるだけの機械だった。今となってはもう過ぎた時間に感謝するしかないが、少なくともあの頃の俺に味方は一人も居なかった。こんな奴らに稼いだ金で孝行して喜ぶ顔を想像してた最近の俺って何?俺は俺が孤独だという事を絶対に忘れるな。
確かに、なんとなく考えても人間は人間のルールに守られ続けて生きているが、何の為に生きているかというクソみたいな問いに答えを持つ必要は無くて、俺たちは友情とか愛情を感じる一瞬で何かしらを信じたりするけれどそんなものはその日の孤独を消してるだけのまやかしに過ぎず、だからそんなものが元からない俺は優しくしてくれる自分を作って今まで弱い自分に勝つ妄想を繰り返してきたんだと思う。何もかもから逃げたあの時のツケはもう既に回って来ている実感はあるが、きっと何度やり直しても同じ失敗は繰り返すし、こうして不完全な自分の成長に甘えて生きていると何の前触れもなく潰されそうになる日がこれからも続いて、どうせいつかは耐えられなくなってその辺で野垂れ死んでいると思う。