まだ舞える


人が仕事してる真後ろで悪口を言われながら、日曜だろうが祝日だろうが行って帰って30分で風呂と飯を済ませて、時間ができたら何をしようと考えて寝るだけの毎日、 それでも相変わらず運だけには恵まれ環境は万全、案件は極上といったところで、辛いと思えば辛いし辛くないと思えば辛くないし、自分もそれ以外の人間も文句を言おうと思えば幾らでも出てくるけど、結局のところ何が正解なのか、仮想敵を相手取っていかに自分が恵まれているか言い聞かせて今日までやってきたけど、多分限界が来た。時間と金せめてどちらかが欲しいところを双方ブッパされると無理。コンビニバイトの方がよっぽど楽に儲かるわクソボケチンカスイカレタコ焼きソースがよ。

ただ、これを自分で選んでいるのは間違いない。お勉強しなかったのも自分、部活動に一切真面目に取り組まなかったのも自分、学校行かずに一生ゲームしてたのも自分、こんな業界に飛び込んだのも自分、これは間違いない。しかしこの謎の鬱憤の行方と言えば何処にも行かないのが問題で、そのせいか知能の若干の崩壊が始まっている。世間のニュートラルな平衡感覚を失った瞬間年齢関係なく老害と化すこの業界では割と致命的な怪我で、ついに俺もその辺の石ころに感動しつつある。
一度ブッ壊れたあの頃はただ慰めて欲しかったのか何なのか正直もう覚えていないが、今は癒しとかアドバイスとか同情とか全部邪魔に感じる。自分が選んだクソみたいな社会と取り巻いている陰湿で無防備な人間たちのことを何一つ否定されたくない。

自分がどこまで行けるのかずっと知りたかった。未だに分からないのに、ただ本当に真横を通り過ぎていく。真横。自分に必要な何かが真横を通り過ぎる感覚、その時考える必要のある何かが置いてけぼりにされてもう一生距離感が分からない。難しい。今日まだ何も食ってない。