気が付いていないだけで、危険はいつもすぐそばにある。それに気付いてしまった時、ようやく恐怖に怯える事となる。なんてバカで滑稽なんだろうか、いままでそこにいたのに。
それはいつものように薪置き場で丸太に座りながら音楽を聴いていた時であった。
すると右手から来た一匹の蜂が頭上を通過したと思ったら、消えたのだ。ふと見上げると…
なんやこれ…こんなデカい杭なんか打ってあったか…?と思った矢先、穴から蜂が飛び出す。
その瞬間、蜂の巣だと理解してしまった。
いや〜ん怖いもうどうしようほんと…もう怖い怖い怖い怖いよ〜もう誰か…ねえほんと怖い…あっもうやだ(裏庭へ走り出す)
とてもこの大きな図体で男とは思えない動きをしていたと思う。その場で調べた結果、コガタスズメバチの巣だと判明した。
心理的にほぼ100%再び近付いてその実態を確認するだろうと近付くが、結局何も考えていないのと同じである。
ゆっくりと標的との距離を縮めながら歩くも、立てかけてある材木に右足が当たりガラガラと音を立てる。
しまった!
※コガタスズメバチは巣に触らなければ何もしてきません
まるで映画みたいだと笑って一旦離れ、カメラを起動し最接近するその姿はアホの子そのものである。
そして家に退避し現在に至る。
最近つくづく思う、虫全般苦手になった。昔はカマキリやカブトムシやザリガニからトンボまで捕まえて遊んでいたというのに、今じゃセミが怖くて道を遠回りするどころか、セミの死骸を見るだけで跳ね上がる。もうすぐ夏だが、いつからか心の底から来て欲しくない季節になってしまった。
この苦手という感覚は好き嫌いではなく、いわゆる恐怖に置き換えられている。なぜなのか。
この世界に突然肉食のデカい虫が繁殖したら真っ先に死ぬと思う。